前回につづき、今回は夏の紫外線ダメージをオーガニックコスメでケアする「オーガニックサンケア理論」について日本オーガニックビューティセラピスト協会の坂田まことさんにお話を伺った。夏でも冬でも肌を守る紫外線対策は大事なことだが、オーガニックコスメは紫外線対策はできるのか。
新しい日焼け対策の考え方として「素肌の健康を優先し、皮脂膜の補助をする」ことを念頭に置いたうえでオーガニックサンケアを行うのであれば、「植物の抗酸化成分」の有効活用がベストという。
「日焼け止めやファンデーションは塗らず、抗酸化成分を含んだ植物オイルを日々、蓄積させることによって、紫外線のダメージを受けたときに炎症が起こりにくい肌づくりをする。こういった対策を組むことを『オーガニックサンケア理論』と呼びます」と坂田さん。
日焼けをしたときに炎症を起こすのは、肌の中に発生した活性酸素が角質層で細胞膜やDNAを破壊する活動をしてしまうため。オーガニックコスメの場合は、散乱剤を主に使っているので物理的に紫外線を跳ね返す働きがあるとのこと。しかし注意すべき点もあるという。
紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤(多くの日焼け止め剤に含む成分)より優しいとはいえ、塗りすぎると素肌の「乾燥」を招く可能性もあるため、使用用途によっては向き不向きがあります。さらに、散乱剤は汗をかいたりこすったりすると簡単に取れてしまうので、表面上の防御にしかなりません。
したがって、レジャーなど長時間太陽を浴びる場合は、中途半端にオーガニックの散乱剤だけ塗ってもすぐに落ちてしまいます。オーガニックのよさを感じずに、むしろ赤みが出てしまう場合もあるので、その時々のお肌の健康を考えて、ケミカルの日焼け止めを割り切って使うのも手段ともいえます。
普段はオーガニックコスメ、短期的な集中ケアはケミカルコスメという使い分けも大切です。
また、ファンーデーションを塗らないとしても、花粉や排気ガスなどの刺激を考えると「すっぴん」で過ごすことも、全てがよいとは限りません。
オーガニックコスメのなかには、石油系合成界面活性剤を使用しなくても、石鹸だけで落とせるミネラルパウダー系のフェイスパウダーがあります。
また、葛粉やタピオカの「でんぷん質」でできていて、塗ったまま眠っても負担のないフェイスパウダーなど、「すっぴん素肌」で過ごしたい女性たちの肌を優しく守る商品も増えています。
おさらい。
普段使いはオーガニックコスメで健康素肌をつくりながら紫外線対策、レジャーなどの短期集中サンケアにはケミカルコスメを使い分けましょう。
坂田 まこと さん(サカタ マコト)
一般社団法人 日本オーガニックビューティセラピスト協会 代表理事、オーガニックビューティセラピスト・自然療法士
ORGANIC MOTHER LIFE
organic-mother-life.com
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