list

薬剤師が開発した薬膳料理「食の大切さ」を届ける使命感(1)

SNSでシェアしよう!

薬剤師だった服巻佳奈さんは現在、薬膳料理の開発者を含め幅広く活動をしている。

「“カラダにやさしい食事”を、みなさんに届けたい」

その思いで今日もキッチンカー※1に乗り、お客さまへ薬膳料理を提供する。

病気を治すための「薬」以前に、普段の「食」が大切であることに気づいた服巻さん。その“思い”には、はかり知れないほどのワケがあった。薬剤師として医療の現場から料理を提供する現場の立場に転身したその経緯をお聞きした。

食は予防の「薬」。料理と食材の目覚め

薬剤師だったころは、当時勤務していた病院で通院患者さんに処方する薬が毎回増えていくのを見守り続けていました。もっと自然治癒力が高まるような良いアプローチ方法はないものかともどかしさを感じていたのです。

そんなもやもや感を感じる日々のなかで、興味が湧き始めていた「」の世界。食材や調味料などにも気を配り、自宅で積極的に料理をすることから始めました。そのうち食材にもこだわり、『大地を守る会』(オイシックス・ラ・大地株式会社)という宅配サービスで有機野菜などを取り寄せて試食することも生活の楽しみになったのです。

そのなかで、九州にある有機農園さんの野菜が本当においしくて毎回頼むほどにもなり、「食」に関心をもつ多くの出会いにも恵まれていきました。料理に甘みをつける調味料も、砂糖は使わずみりんなどを使用します。砂糖を悪者として考えるというよりも自分の体質に合わせて自然に取り入れるようになりました。

【服巻さんが開発した有機野菜と近大マグロのハワイグルメ「アヒポキ」(下写真)】

カラダの不調を経験してから食べ物や調味料に工夫

私自身、血糖値、血圧などの体調変化により不調をきたしてしまいます。例えば空腹になると気持ちが悪くなり、低血糖の症状も出ます。お菓子が好きで、チョコレートなどを食べると急激に血糖値が上がって頭痛が起きることも。

発熱するとすぐに動けなくなることもありました。年齢を重ねるにつれて、より自分の身体が苦手とするかたちで不調が起こる。食べ物によってカラダが正直に反応することを実感したのです。

このような状況から、自分で自分の身体をコントロールしなければならない必要に迫られました。“砂糖”の代わりに、“みりん”や“ハチミツ”などを使うようになったのもそういった理由からです。また和食が好きで、粗食(=おばあちゃんが作ってきた料理)も気になっていました。

ちょうど、友人から勧められていた幕内秀夫さんの『粗食のすすめ レシピ集』(東洋経済新報社)の本を実践してみたのです。本の中で見る、「煮る」「焼く」「蒸す」「出汁で割る」などの調理法は、まさに私の身体が求めていたものでした。さらに油を使わず、料理酒などで味付けすることが多いので洗い物がラクなのも利点です。

【2018年10月「ららぽーと豊洲」にて、高知PRのマルシェ開催の際に提供してもらった『土佐はちきん地鶏(商標登録 第4981420号)』を服巻さんとスタッフの方々で開発したメニュー(下写真)】

キッチンカーも自らデザイン。目と味と質で食の大切さを伝える

カラダは普段の食事からつくられます。私自身も日常生活の積み重ねが健康状態に直結していたので、「食」を追求したい思いが高まりました。しかし薬剤師として、「食」にどのようなかたちで関わっていけばよいかは、はじめは思い浮かばず……。

でも思いは通じるものですね。その後「食」にこだわりをもつ現在の会社と出会ったのです。ユニークなのが「キッチンカーで薬膳料理を提供する」というコンセプト。

車のデザインもこれからという0スタートでした。実は学生時代、美大に進学を迷っていたほどデザイン好きなのもご縁が重なりました。過去に独学で学んだグラフィックデザインが活きて、キッチンカーのデザイン担当から始まったのです。続けてロゴマークも完成。

小規模な会社ですが、その分いまではデザインから料理開発まで幅広い業務内容にやりがいを感じています。薬剤師のころに感じていたもやもや感がこうして、みなさまに健康なカラダをつくる基になる「食の大切さ」を伝えることにつながりましたから。

キッチンカーでの料理提供は、その場のコンセプトに合わせてメニューを決めることができます。イベントのテーマにも合わせられますし、生産者の方がもつこだわりの食材と会社のシェフが共同開発をしたメニュー提案も可能です。

同時に物産販売もしますので、お客さまが産地の食材を手に取って見ることができます。実際に物産の食材が使われた料理を、その場で食べられる体験型のイベントやマルシェを開催するのもこだわりなのです。

『オーガニックライフスタイルEXPO 2018』に出店した際には、メニューに薬膳カレーを選びました。カレーは数種の野菜やスパイスハーブなどを使用する薬膳の原点です。

【オーガニックライフスタイルEXPO 2018(2018年9月22日、23日開催)に出店したキッチンカー。薬膳フレンチ『シェ・ラミ・カーナ』とのコラボカレーメニューが並ぶ(下写真)】

おいしい万能薬ともいえる薬膳カレーは、薬膳シェフとともに最初に開発したメニューでした。オーガニックイベントという健康に関心の高い来場者の方々にぜひ提供したいと思ったのです。おかげさまでみなさまに好評で、食べた後にお腹に優しいという声を多くいただいたことが何よりも嬉しい瞬間でした。


(後記)
自身の食べ物によるカラダの不調、そして薬剤師という職業柄、患者さんの薬が増えていく状況にもどかしさを感じた経験。その解決の鍵が「食事」と語った服巻さん。

いずれにしても、薬を飲む前に身体の不調を防げるかもしれないという薬剤師だからこその見解を感じた。使命を果たすため活動する服巻さんの姿は活き活きと輝いている。

キッチンカーで展開する薬膳料理は、カレー以外にもさまざまなメニューを開発し続けているという。魅力的なメニューはまた次回につづく。

服巻佳奈さん
AMPLUS JAPAN合同会社 業務執行責任者、薬剤師
聖路加病院の門前薬局にて勤務後、予防医学の分野に興味をもつ。現在はキッチンカーで薬膳料理や地方と連携をとりながら、さまざまな街やイベント会場にカラダに優しい料理を提供している。

AMPLUS JAPAN合同会社
http://www.amp-japan.co.jp

【解説】
※1:車の中で食品の調理をする設備を備え移動販売できる車両

SNSでシェアしよう!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

カラダクリアーの最新情報をお届け

Photo by 
fotolia 

PR

Related Posts

Editor's pick

エステ・スクール総合ランキング

【PR】エステティシャンになるためのスクール情報