エコなアクションが広がる中で、「アップサイクル」という言葉を目にする機会が増えたかと思います。そもそもアップサイクルとはどんなものなのか?また、実際に使ってみたくなる魅力的なアイテムをご紹介します!
アップサイクルってどういう意味?
「アップサイクル」とは、不要になったものを新しい商品として生まれ変わらせる考え方です。
なんとなく、再利用というイメージがわくかと思いますが、「リユース」や「リサイクル」とは異なります。リユース(Reuse)やリサイクル(Recycle)は、「リデュース(Reduce)」とともに、頭文字を取って「3R」とも呼ばれます。ごみを減らしたり、活かしたりするためのものです。
◆リデュース
製品を作る際に資源の量を減らすなど、廃棄物の発生を少なくすることです。消費者目線でいえば、エコバックを使用したり、簡易包装の製品を選んだりするもの。
◆リユース
一度使った製品やその部品を、廃棄せずに繰り返し使うことです。身近なところでいえば、フリーマーケットで不要品を出品するもの。
◆リサイクル
廃棄物を原材料やエネルギー源として有効活用することです。リサイクル製品を使うのはもちろん、資源ゴミをきちんと分別することも、リサイクルの手助けとなりますよ。
アップサイクルは、上記の3Rとも異なります。
◆アップサイクル
不用品の素材や特徴を活かして、新しい製品を作り出すこと。
一見似ているリサイクルは、不用品を粉々にし、製品が作られる前の状態にしてから、違った製品を作ります。ペットボトルから衣類を作るものが有名でしょう。
一方のアップサイクルは、着られなくなったジーンズを使って、デニム生地のバッグを作るなど、素材感などを活かしながら新しいものに作り変えるのです。
アップサイクルの逆の概念として、「ダウンサイクル」もあります。着られなくなった衣類を雑巾にするなど、もともとの価値よりも低いものとして生まれ変わらせるということです。
今回は、アップサイクルに焦点を当てて、どんな商品があるのかを見ていきましょう。
アイデア満載!アップサイクル商品集
アップサイクルの商品は、作り手のセンスや工夫、こだわりが詰まったものがたくさん。興味があるものが見つかったら、ぜひチェックしてみてくださいね。
マリオンヴィンテージの衣類
ヴィンテージ生地にこだわった、古着リメイクのアップサイクルブランド。新しいファッションアイテムに生まれ変わらせ、より魅力的な衣類を販売しています。
デザイン性が高く、特別な日に着るのも素敵。
オーガニックコットン100%マスク/マッシュビューティーラボ
コスメキッチンなどを展開するマッシュビューティーラボが、食品廃棄物を再活用するプロジェクト「フードテキスタイル」とコラボレーションして作られた、オリジナルマスクです。
食品会社や飲食店、農園の製造過程で廃棄予定だった野菜などでマスクを染めています。優しい色合いで、見ているとホッとした気分に。
ニューズドの雑貨
廃棄されるシートベルトの光沢感を活かした蝶ネクタイ、学校で使われていた椅子の背板を活用したハンガー、箸の製造過程で出る端材を使ったマグネット…。ニューズドは、廃材などで商品開発を行うアップサイクルブランドです。
素材の良さをそのまま活かした商品も多く、アイデア力の高さに驚かされますよ。
ファームキャニングのびん詰め食品
野菜は、でこぼこな形だったり、色が不揃いだったりすると、食べられるのに規格外とされてしまいます。廃棄するのはもったいないと、ファームキャニングでは、びん詰め加工にして販売されています。
無農薬で有機栽培の野菜を使っており、ちょっとしたオーガニック生活を楽しみたい方にもぴったり。
プラスコスメプロジェクト
不要なカラー化粧品を画材に変えて、ワークショップやイベントを実施しています。アイシャドウや口紅など、使いきれない化粧品が絵の具などに生まれ代わり、子どもや学生に使われています。
古くなったら捨ててしまう化粧品も、アップサイクルが可能なのです。
実はこれもアップサイクル…!?
フードロス削減に注目が集まっていますよね。実は身近なものもアップサイクル食品なのです。
◆ライスブラン
米ぬかのことで、玄米から白米を取り除いた果皮や胚芽部分です。精米時に発生する粉。食物繊維やビタミン、ミネラルなど玄米の約80%の栄養が米ぬかに集中しています。
精米時に廃棄されることが多かったのですが、スーパーフードとして注目されています。漬物のぬか床や米油として利用される他、化粧品にも活用されています。
◆おから
日本の食卓にはよくのぼる、おから。実は、豆腐を作る際にできる副産物。大豆から豆乳を絞った搾りかすなのです。低カロリーで食物繊維が豊富なので、ダイエットにも向いています。
大半は廃棄されており、食用で出回っているのはわずかだそう。食の欧米化であまり食べなくなったという方も、今一度おからに目を向けてみては。
アップサイクル商品を選択肢の一つに
よく見かけるSDGs。そのうちの目標12は「つくる責任つかう責任」。少ない資源でより多く、質の高いものを得られるようなサイクルを求めています。アップサイクルを意識することでも、SDGsに取り組むことが可能なのです。
アップサイクル商品は、アパレルから食品、雑貨、化粧品など、多岐に渡ります。身近なものにもまだまだアップサイクル商品がありますよ。
商品を購入する際に、選択肢の一つにしておくのもオススメです。ご紹介したように、アイデア満載のアップサイクル商品は魅力的。環境にも配慮しつつ、素敵なアイテムを使えるのは嬉しいですね。
自分のアクションとして考えると、生活や心が豊かになるかもしれません。
執筆者
- 西田 彩花 美容ライター
【保有資格】
・美容薬学検定1級(2014年6月)
・日本化粧品検定1級(2015年5月)
・コスメコンシェルジュ資格
・第2回コスメコンシェルジュコンテスト金賞受賞(2017年)
・JMA メイクアップアドバイザー…