日々のスキンケアのなかで欠かせないアイテムでもある、洗顔料。しかし、数多くある市販の洗顔料を見比べても、「正直違いがあまりわからない…」という人も意外と多いのではないでしょうか。
もしかすると、パッケージに表記されたキャッチコピーから何となく選んでいるという人もいるかもしれません。そこで今回は、洗顔料の選び方を肌質や肌悩み別に解説!おすすめの市販洗顔料も併せて紹介します。
洗顔料の種類
洗顔料には、大きく分けて5つの種類があります。まずは種類ごとの特徴やメリットを知り、自分に合う洗顔料のタイプを選ぶようにしましょう。
◆ペーストタイプ
・洗浄力:弱~強
ペーストタイプは、市販の商品の多くを占める定番の洗顔料。コスパや泡立ちに優れていて、手軽に取り入れられるという特徴があります。また、ペーストタイプは値段や配合成分も商品により大きく異なり、種類も豊富なので、目的に応じて選びやすいといったメリットがあります。
◆ジェルタイプ
・洗浄力:弱~強
ジェルタイプは泡立てずに使用する洗顔料。肌になじませて洗い流すだけなので、時短ケアを叶えられます。さらに必要以上に摩擦を与える心配もないので、極力肌負担を減らしながら使用できるといったメリットもあるのです。
◆泡タイプ
・洗浄力:弱~中
泡タイプは容器から出る際に気体と混ざり合い、泡状になって出てくる洗顔料です。泡立てる手間がかからないので、ジェルタイプ同様、時短ケアに向いています。忙しい朝などにも便利です。
◆固形タイプ
・洗浄力:中~強
固形タイプは一般的な石けんの形をしたタイプの洗顔料。他の洗顔料のように容器に入っていないので、エコで地球にやさしいというメリットがあります。また、水に溶けにくいタイプのものであれば、比較的長持ちもするので、コスパにも優れています。
◆粉末タイプ
・洗浄力:中~強
粉末タイプは泡立てに時間がかかるものの、高い洗浄力で余分な皮脂や角質を洗い流してくれます。毛穴汚れや角質肥厚によるゴワつきなどに効果的です。水に触れると活性が下がるという特性があるので、1回使い切りタイプの個包装の洗顔料が主流となりつつあります。
【肌質別】おすすめ洗顔料
肌質により、肌悩みは大きく変わってきます。洗顔料を選ぶ時は、自分の肌質から悩みに寄り添ってくれる商品を選ぶようにしましょう。
◆乾燥肌
乾燥肌の人は、肌表面の汚れを落としつつも、必要なうるおいが残せるタイプの洗顔料を選ぶようにしましょう。
おすすめは、洗浄力がやさしく、マイルドな洗い心地のアミノ酸系活性剤を使用した洗顔料です。迷った時は、成分表示に「ココイルグルタミン酸Na」や「ラウロイルメチルアラニンNa(ラウロイルメチル-β-アラニンna液)」が記載された洗顔料を選んでみてくださいね。
また、乾燥肌の洗顔料選びでは、保湿成分が配合されているかも重要です。
代表的な保湿成分である「ヒアルロン酸」や「セラミド」をはじめ、水分蒸発を防ぐ「スクワラン」や「ワセリン」、「ミネラルオイル」などが配合された商品であれば、しっとりとした洗いあがりに仕上がります。
<乾燥肌におすすめの市販洗顔料>
・ノブIII「ウォッシングクリーム」
臨床皮膚科学に基づき、肌質ごとに低刺激性のスキンケアアイテムを扱うブランド「ノブ」。
ノブIIIの「ウォッシングクリーム」は、乾燥肌にとって大切なバリア機能の3因子(細胞間脂質、NMF、皮脂)をサポートする保湿成分(セラミド、ベタイン、スクワラン)をバランスよく配合しています。
キメ細かく、弾力のある泡で摩擦レスに洗えるので、肌負担も減らせます。また、抗炎症成分である「グリチルリチン酸2K」も配合されているので、乾燥性敏感肌の人にもおすすめです。
◆脂性肌
皮脂トラブルが起こりやすい脂性肌には、洗浄力が高く、余分な皮脂をしっかり落とせる石けん系の洗顔料がおすすめです。代表的な成分としては「ラウリン酸」や「ミリスチン酸」などがあげられます。
石けん系の洗顔料はアミノ酸系の洗顔料と比較すると、洗浄力も高いため、人によってはつっぱりを感じる場合も。
また、皮脂が多い脂性肌であっても、肌のうるおいを残すことは大切なので、石けん系の洗顔料を選ぶ時は、併せて保湿成分も配合しているかどうかもチェックしてみてくださいね。
<脂性肌におすすめの市販洗顔料>
・IPSA「クレンジング マリンケイクe」
IPSA「クレンジング マリンケイクe」は、洗浄力に期待ができる固形タイプの洗顔料でありながらも、2種類のヒアルロン酸を配合。
余分な皮脂や汚れをしっかり落としながら、肌のうるおいはキープしてくれます。脂性肌の悩みになりがちなベタつきを落とし、しっとりした仕上がりを実現してくれます。
キメ細かい濃厚な泡立ちを楽しめるのも、毎日使用する洗顔料としてはおすすめのポイントです。
◆敏感肌
配合成分や洗浄力の高さが刺激になる可能性も高い敏感肌には、洗浄力がマイルドで、肌負担になりにくい成分を配合した洗顔料がおすすめです。
迷った時は、肌と同じ弱酸性であるアミノ酸系の洗顔料を選ぶようにしてみましょう。極力肌負担を減らしながら使用することができます。
また、敏感肌は配合成分に注意が必要!エタノールや香料、防腐剤、多量の植物エキスなどを含む洗顔料は避け、保湿成分や抗炎症成分を配合した商品を選ぶようにしてみてくださいね。
<敏感肌におすすめの市販洗顔料>
・キュレル「潤浸保湿 泡洗顔料」
乾燥性敏感肌のためのアイテムが豊富に取り揃えられている「キュレル」。
キュレルの「潤浸保湿 泡洗顔料」は、肌表面の汚れは落としつつも、敏感肌にとって欠かせないセラミドはしっかりキープ。しっとりとなめらかな仕上がりを実現します。
泡タイプなので、洗浄力も弱く、摩擦による肌負担も抑えられますよ。また、抗炎症成分である「グリチルリチン酸2K」配合により、肌荒れを防ぐ効果にも期待ができます。
【肌悩み別】おすすめ洗顔料
繰り返すニキビや毛穴の黒ずみなど、特定の肌悩みがある場合は、アプローチをかけてくれる成分を配合した洗顔料を選ぶようにしましょう。
◆ニキビ
繰り返しできるニキビに悩んだ時は、ニキビができにくい(アクネ菌のエサになりにくい)ノンコメドジェニック処方の洗顔料を選ぶのがおすすめです!また、ニキビ悩みに働きかけてくれる抗炎症成分が配合されているかも重要なポイント。
代表的な抗炎症成分「グリチルリチン酸2K」、「グリチルレチン酸ステアリル」、「アラントイン」には、ニキビや肌荒れによる炎症を抑える働きがあるので、これらの成分が配合された洗顔料を選んでみてくださいね。
<ニキビにおすすめの市販洗顔料>
・オルビス「クリアフル ウォッシュ」
1990年発売のロングセラー商品オルビス「クリアフル ウォッシュ」は、ニキビの原因にアプローチをかけてくれる洗顔料。
洗浄力はマイルドで、「コラーゲン」や「ハトムギエキス」などの保湿成分も配合されているため、乾燥肌の人でも比較的使いやすいアイテムです。
肌荒れを防ぐ抗炎症成分「グリチルリチン酸2K」を配合しているので、できたニキビに働きかけるだけでなく、繰り返しできるニキビの防止にも期待ができます。
◆毛穴の黒ずみ
小鼻周りを中心に毛穴の黒ずみに悩む人には、余分な皮脂や毛穴汚れを吸着するクレイ系の洗顔料がおすすめです。
一言でクレイといってもさまざまな種類がありますが、初めてクレイ系洗顔料を手に取る人であれば、洗いあがりもマイルドで使いやすい「カオリン」を使用した洗顔料を選ぶと良いでしょう。
そのほかにもクレイ系洗顔料には、皮脂悩みや脂性肌におすすめの「ベントナイト」や、バランスよくうるおいを残し、乾燥肌でも使用しやすい「ガスール(モロッコ溶岩クレイ)」があります。自分の肌質や肌悩みに合わせて、クレイを選んでみてくださいね。
<毛穴の黒ずみにおすすめの市販洗顔料>
・カネボウ「スクラビング マッド ウォッシュ」
カネボウの「スクラビング マッド ウォッシュ」は、モロッコ溶岩クレイとスクラブを配合したペーストタイプの洗顔料。
モロッコ溶岩クレイが肌に密着し、余分な皮脂を吸着。さらにスクラブが古い角質もケアしてくれます。毛穴の黒ずみはもちろん、肌のゴワつきやキメの乱れによるくすみに悩む人にもおすすめです。
「グリセリン」をはじめとした保湿成分も配合されているので、仕上がりはつっぱりも感じにくくなっています。
◆角質肥厚によるゴワつきやくすみ
角質肥厚によるゴワつきやくすみ悩みには、酵素洗顔料がおすすめです。皮脂やたんぱく質をケアする酵素が、古い角質や余分な皮脂を洗い流してくれます。毛穴汚れや角栓などの肌悩みにも効果的です!
ただし、酵素洗顔料は洗浄力が強いアイテムなので、毎日の使用は避けるようにしましょう。商品ごとの使用方法をしっかり確認しつつ、週に1~2回程度の頻度で使用することを推奨します。
また、酵素洗顔料は他の洗顔料と比較し、泡立てるのが難しいという特徴もあります。泡立てネットに少量の水を足しながら泡立てるようにすると、きれいな泡ができますよ。難しい場合は、手持ちの洗顔料に混ぜるのもひとつの方法です!
<角質肥厚によるゴワつきやくすみにおすすめの市販洗顔料>
・Obagi「酵素洗顔パウダー」
Obagiの「酵素洗顔パウダー」は、角質ケアに特化した酵素洗顔料です。
肌のうるおいを守りながらも、余分な角質はケア。角質肥厚によるゴワつきやくすみに期待ができます!毛穴の黒ずみや余分な皮脂が気になる人にもおすすめです。
洗浄力はやや強めではあるものの、洗いあがりはつっぱらずにサラッとした仕上がりに。酵素と併せて「ビタミンC」を配合しているので、キメ細かいみずみずしい肌を目指すこともできますよ。
肌質や肌悩みから洗顔料を選ぼう!
一言で洗顔料といっても、タイプや配合成分により肌への働きかけ方は異なってきます。洗顔料を選ぶ時は、自分の肌質や肌悩みにマッチする商品を選び、理想とする肌を目指してみましょう!
執筆者
- LISA 美容ライター
《プロフィール》
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア…