前回の記事では、ゴルフが上達するためには、「再現性を高めること」がとても大切とお伝えしました(前回の記事)。
そして、安定したスイングができるようになるためには、
・正しいアドレスを作る
・スイング中、前傾姿勢を保つ
・スイングの軸を安定させる
この3つが重要です。今回はこの3つのポイントにおススメのエクササイズをご紹介させていただきます。
正しいアドレスを作るエクササイズ
ゴルフが上達するために正しいアドレスを作り、常に同じ姿勢をキープするポイントは、ピラティスの要素「引っ張り合い」を意識することです。それでは実際に「引っ張り合い」を意識しながらエクササイズを行っていきましょう。
【ロールダウン】
1.アイアンのアドレス幅で立ちます。骨盤はニュートラルポジション。お腹は背中の方に引き寄せておきましょう。
2.息を吸って、吐きながら頭を倒します。
3.さらに頭と腕の重みで上半身を前に倒していきます。
4.半分くらい前屈したところでストップ、お腹を背中の方に引き上げるのと同時に、両手は床に近づけようとします。
5.息を吸って、吐きながらお腹を引き上げ、元の位置に戻ります。5から10回繰り返しましょう。
★ポイント
①エクササイズ中、前屈するときも、起き上がってくるときも、常に、「手とお腹で引っ張り合いを感じながら」動いていきましょう。
②さらに目線は常にお腹。お腹をのぞき込みながら背骨を一つ一つ動かしていきます。体を前に倒すときは、お腹を背中の方に引き上げ、起き上がってくるときは、肩に力が入りやすいので、肩甲骨は下げながら、お腹をえぐるように起きてきましょう。
起き上がってきたら、お腹を中心に頭と足で引っ張り合いを感じましょう。
スイング中の前傾姿勢を保つエクササイズ
次はスイング中に前傾姿勢を保つためのエクササイズです。前傾姿勢を保つためには、股関節周辺筋の柔軟性とお腹の引き上げが必須となります。
アブリフトは、お腹を下に向けた姿勢で、お腹が緩まないように骨盤底筋群を引き上げながら、腹横筋を背中の方に引き寄せていきます。動きは簡単ですが、前傾姿勢を保つためには必須のエクササイズです。
【アブリフト】
1.四つん這いになります。骨盤はニュートラルポジション。お尻と頭で背骨を引き伸ばしておきましょう。
2.息を吸って、吐きながら、お腹を背中の方に引き上げます。
3.ゆっくり10回繰り返します。3セット行います。
4.さらに、早く吐きながら10回繰り返します。3セットおこないます。
★ポイント
①肩に力が入りやすいので、肩甲骨を下げて、軽く顎を引いて首の後ろを伸ばし、目線は斜め下を見ます。
②エクササイズ中は頭とお尻で常に引っ張り合いを意識しましょう。
スイング軸を安定させるエクササイズ
骨盤底筋群を引き上げ、腹横筋を背中の方に引き寄せて骨盤を安定させて、さらに背骨周辺の多裂筋も使いながらねじるエクササイズです。
【オブリークツイスト】
1.両膝を立てて内ももでボールを挟んで座ります。骨盤はニュートラルポジション。両肘を伸ばして胸の前で両手を組みます。
2.息を吸って背骨を引き伸ばし準備。はきながら胸→肩→頭の順番で右に上半身をねじります。
3.息を吸いながら胸→肩→頭の順番で真中に戻ります。
4.左側も同様に胸からねじり、胸から戻ります。
5.左右5回ずつ行います。
★ポイント
①左右にねじるときに、骨盤底筋群を引き上げ、両膝が左右にぶれないように正面をキープしておきましょう。
②ねじるときは、腕や頭から動き始めないように、胸→肩→頭の順番をしっかり確認しながら行いましょう。腕だけ、ボールだけにならないように気をつけましょう。
③背中が丸まっていると、腕だけでねじってしまいやすいので気をつけましょう。
各エクササイズとも、骨盤底筋群の引き上げと腹横筋を使って、骨盤を安定させるのがポイントです。特に3つ目は、骨盤を安定させてから上半身をねじる=ダウンスイングの始動になりますので、ゆっくり丁寧に繰り返し練習していきましょう。そうすることで、ゴルフの上達にまた一歩近づきます。
執筆者
- 太田 律子 ピラティス&ゴルフピラティスインストラクター
《プロフィール》
ゴルフピラティス専用スタジオ「Golcore(ゴルコア)」代表。
東京・神奈川を中心に、ゴルファーのためのカラダ作りをサポートする、ゴルフピラティスインストラクターとして活躍中。日本ピラティス指導者協…