日焼け止めの「SPF」と「PA」って?
市販の日焼け止めに必ず記載されている「SPF」や「PA」という表示。これらはサンケア指数と呼ばれる表示で、紫外線を防ぐ効果を数値で表したものになります。
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紫外線対策に欠かせない日焼け止め!これからどんどん暑くなる夏の時期には、必須のアイテムでもありますよね。
しかし、なかには「日焼け止めの選び方がわからない」「毎朝しっかり塗っているはずなのになぜか日焼けしてしまう」など、日焼け止めに関する悩みをもつ方も意外と多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日焼け止めの基礎知識について徹底解説!日焼け止めの使い方から選び方、よくある疑問までをご紹介します。
市販の日焼け止めに必ず記載されている「SPF」や「PA」という表示。これらはサンケア指数と呼ばれる表示で、紫外線を防ぐ効果を数値で表したものになります。
SPF
レジャー紫外線と呼ばれ、肌に炎症を起こすUV-Bの防止効果を表す数値です。SPFの数値は何も塗らない時と比較し、UV-Bによる炎症をどれだけ長く防げるかを表しています。SPFは50までが数字で表され、51以上は「SPF50+」と表示されます。
SPF
レジャー紫外線と呼ばれ、肌に炎症を起こすUV-Bの防止効果を表す数値です。SPFの数値は何も塗らない時と比較し、UV-Bによる炎症をどれだけ長く防げるかを表しています。SPFは50までが数字で表され、51以上は「SPF50+」と表示されます。
■軽い散歩や買い物、室内で過ごす日:「SPF10~20」「PA+」
■軽いジョギングやスポーツ、短時間のレジャー:「SPF30~40」「PA++~PA+++」
■長時間炎天下で過ごす日、海・山・雪など:「SPF50+」「PA++++」
夏場の海、山、川などのレジャーでは、「SPF50+」「PA++++」と最高数値の日焼け止めを使用することが推奨されています。
また、雪は紫外線の反射率が80%と高いため、冬場のスノースポーツでも高いサンケア指数の日焼け止めが必須ですよ。
反対に早朝や夕方の時間帯に行う軽い散歩や買い物であれば、「SPF10〜20」「PA+」程度のサンケア指数があれば十分です。
ただし、黄体ホルモンの分泌が増える生理前は、紫外線感受性が高くなる時期なので、軽い外出でも普段より高めのサンケア指数を意識すると良いでしょう。
とにかく数が多い市販の日焼け止め!選ぶ時に迷ってしまう人も多いかと思います。そんなときは今からご紹介する3つのポイントを重視して日焼け止めを選んでみてくださいね。
①テクスチャーで選ぶ
化粧品と同じく、日焼け止めも商品によりテクスチャーが異なります。それぞれのテクスチャーに特徴やメリットがあるので、自分の肌質や好みから商品を選んでみましょう。
◆スプレータイプ
スプレータイプは吹きかけるだけで簡単にUVケアできるのが最大の特徴。髪や背中など体全体の紫外線対策におすすめです!また、手を汚さずにサッとスプレーできるので、外出先での塗り直しにもぴったりですよ。
◆ローションタイプ
ローションタイプは、化粧水のようなテクスチャーが特徴です。日焼け止め特有のきしみ感や重さもないので、軽い散歩や買い物、日中家で過ごすときなどにおすすめのテクスチャーです。
◆ジェルタイプ
ジェルタイプは、みずみずしく伸びの良いテクスチャーが特徴。軽い使用感なので、べたつきが苦手な人におすすめです。石けんだけで落とせるタイプも多く、日常使いであれば十分のUVカット効果を発揮してくれます。
◆ミルクタイプ
乳液のような使用感が特徴のミルクタイプ。しっかりと塗った感じはあるものの、日焼け止め特有の重さは感じません。敏感肌向けの日焼け止めに使われることも多いので、肌荒れが気になる人にはおすすめのテクスチャーです。
◆クリームタイプ
クリームタイプは、高い保湿力と密着力が特徴のテクスチャー。汗で日焼け止めが落ちやすい夏場はもちろん、乾燥肌の人や乾燥が気になる冬場にもおすすめです!UVカット効果の高い商品が多いので、長時間炎天下にいる時や真夏のレジャーでは、クリームタイプを選ぶようにしましょう。
◆パウダータイプ
パウダータイプは、フェイスパウダーのようなテクスチャーが特徴。基本的にメイク後の仕上げに使うタイプの日焼け止めに用いられます。紫外線対策とテカリ対策が同時にできるメリットも!また、メイクの上から使えるので、外出先での塗り直しにも役立ちますよ。
◆スティックタイプ
ここ数年人気のスティックタイプは、片手で簡単に使えるのが特徴のテクスチャー。持ち運びに便利で、メイクの上からも塗りなおしができるという利便性があります。
②紫外線カット剤で選ぶ
日焼け止めに使われる紫外線カット剤には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。この紫外線カット剤の種類から日焼け止めを選ぶのもポイントです。
◆紫外線吸収剤
紫外線のエネルギーを取り込んだあと、化学反応で熱など別のエネルギーに変える紫外線カット剤。白浮きせず、きしみ感もないので、普段使いにはぴったりです。
ただし、まれにアレルギー反応を起こす場合もあるので、敏感肌の人が使う時は注意が必要です。
◆紫外線散乱剤
物理的に紫外線を跳ね返す紫外線カット剤。きしみ感は出やすいものの、紫外線吸収剤と比較しアレルギーは起こりにくいと言われています。
紫外線散乱剤は、別名「ノンケミカル(紫外線吸収剤が入っていないもの)」とも呼ばれ、敏感肌向けの日焼け止めの多くは、パッケージや広告に「ノンケミカル処方」の記載があります。
③+αの効果で選ぶ
日焼け止めには、UVカット以外の効果にも期待ができる商品もたくさんあります。自分の肌質やライフスタイルに合わせて、+αの効果から選んでみるのもおすすめのポイントです。
たとえば、汗をかきやすいシーンやマリンスポーツでは、高い耐水性に期待ができるウォータープルーフタイプの日焼け止めがおすすめ!
化粧下地としても使えるタイプの日焼け止めは、メイクの時短ができるので忙しい朝にもぴったりです。
そのほかにも、肌色を補正してくれるトーンアップ効果のある日焼け止めや、乾燥肌にはうれしい保湿成分配合の日焼け止めなどもありますよ。
どれだけ優秀な日焼け止めであっても、塗りムラなどがあると最大限の効果を発揮できません。日焼け止めを塗る時は、正しい使い方を意識することも大切なのです。
①適量を手のひらに取り出す
まずは、手のひらに適量の日焼け止めを取り出します。日焼け止めの量が少ないとUVカット効果が下がり、多いとメイク崩れの原因にもなるため、必ずメーカー推奨の使用量を守るようにしましょう。
②顔全体に日焼け止めをなじませる
薬指と中指を使って、日焼け止めを顔全体になじませます。小鼻周り、生え際、耳の後ろ、フェイスラインなどは塗り忘れが多い箇所なので、意識して塗るようにしましょう。
③額と頬骨に重ね塗りをする
最後に顔の中でも高い位置にあり、紫外線が特に当たりやすい部分でもある額と頬骨に重ね塗りをします。入念に重ね塗りをすることで、塗りムラも防げますよ。
毎日、何気なく使っている日焼け止めですが、意外と知らないことも多いかもしれません。そこで、よくある日焼け止めの疑問についても、解説していきますね。
Q.クレンジングって必要?正しい落とし方は?
A.日焼け止めの種類によって異なります。
クレンジングの必要性は、日焼け止めの商品ごとに異なります。
石けんでオフできるタイプの日焼け止めであれば、基本的にクレンジングは不要です。
ただし、ウォータープルーフタイプの日焼け止めなどは、クレンジングが必要になるため、たとえメイクをしていなくてもクレンジングを行うようにしましょう。
日焼け止めの落とし方は、基本的にメイクを落とす時と同じです。皮脂の多いTゾーンからクレンジングをなじませ、その後フェイスライン、頬周り、目元の順番で日焼け止めをオフしてくださいね。
Q.日焼け止めの塗り直しは必要?メイクの上から塗りなおすことはできるの?
A.塗り直しは必要!メイクの上から塗りなおせる日焼け止めもあります。
どれだけ入念に日焼け止めを塗っても、時間の経過とともに汗や摩擦で流れ落ちます。一般的に日焼け止めは、2〜3時間に1度の塗り直しが必要と言われているので、気づいたらこまめに塗りなおすことを意識しましょう。
本来であれば、メイクが崩れた部分を一度落とし、日焼け止めを塗ってから再びメイクするのが理想ではありますが、忙しい日々のなかでは、そこまで丁寧に塗りなおすのは難しいですよね。
そんな時は、スプレータイプ、パウダータイプ、スティックタイプなど、メイクの上からでも塗りなおせる日焼け止めを活用するのがおすすめですよ。
Q.日焼け止めは夏だけでいい?曇りの日や雨の日は塗らなくていい?
A.日焼け止めは365日必須!曇りの日や雨の日も塗りましょう。
基本的に紫外線は1年中私たちの体に降り注いでいます。特にしわやたるみの原因となるUV-Aは、1年を通してUV量にあまり変動がない紫外線です。
また、快晴時の紫外線を100%とすると、曇りは60%、雨は30%と天気によりUV量に変化はあるものの、基本的に0%になることはありません。
そのため、たとえ冬場の雨の日であっても日焼け止めは必須!365日欠かさず塗るようにしましょう。
Q.日焼け止めは室内でも必要?
A.窓を通して紫外線が差し込むので室内でも必要です。
生活紫外線とも呼ばれるUV-Aは、雲も窓も通り抜ける紫外線です。たとえ室内にいても、窓から差し込むUV-Aにより日焼けする可能性もあるので、家の中で過ごす時でも日焼け止めは忘れずに塗るようにしましょう。
室内で過ごすときは、そこまで高いサンケア指数は必要ないので、ローションタイプやジェルタイプなど、軽い使用感の日焼け止めでも十分ですよ。
Q.日傘や帽子で対策をすれば日焼け止めは不要?
A.日傘や帽子だけでは紫外線は防げません!
紫外線は、直射光・反射光・散乱光とさまざまな角度から私たちの肌に降り注ぎます。
真上から直接降り注ぐ直射光であれば、日傘や帽子のみでも、ある程度の紫外線対策が可能です。
しかし、地表に反射する反射光と空気中のちりやほこりに散乱する散乱光は、真下や横から降り注いできます。
日傘や帽子の間をすり抜け、私たちの肌に届いてしまうため、たとえ紫外線対策グッズを使用していても、日焼け止めは忘れずに塗るようにしましょう。
乾燥、シミ、しわ、たるみなどの原因になる紫外線は、日々の対策によって防ぐことがなによりも大切です。日焼けによる肌悩みを増やさないためにも、生活シーンごとに合わせた日焼け止めを選び、上手に紫外線対策を行ってくださいね。
《プロフィール》
2011年よりライター活動開始。コスメコンシェルジュ資格取得後、美容ライターとしても活動を開始する。
スキンケアを中心に数多くの美容コラムを執筆。一人ひとりの肌質や生活スタイルを想定したうえで、適切なケア…
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