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外見は人生の幸せを左右するのか【トピック】

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加齢のメカニズムはとても複雑なので、1980年代までは老化に逆らうことはほぼ不可能と考えられていました。しかし現代は「アンチエイジング」(抗加齢)というテーマで、医学はもちろんさまざまな分野で老化の研究が進められています。

今回は、「アンチエイジングジャパン2018」での大阪大学大学院医学系研究科 教授 森下竜一先生の講演の中から、「人の外見は、その人の人生にどのように影響していくのか」について、アンチエイジング最新トピックをご紹介します。

外見がいい人は本当に得なのか

イギリスの社会学者が書いた『エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き』という本が話題になりました。外見的魅力と対人的魅力をもっている人は、もっていない人よりも有利(お金、社会的地位、人間関係)だということを、社会学という学問として分析した本です。

この本には「見た目は第四の資産である」と書かれています。資産と聞いて私たちが考えるのは、家やマンション、貯金、株でしょう。これらは経済的資産(第一の資産)と呼ばれていて、資産にはほかにも3つあるそうです。

   第一の資産 経済的な資産 不動産、お金、株
   第二の資産 文化的な資産 学歴、教養
   第三の資産 社会的な資産 人脈
   第四の資産 見た目、ファッションセンス、人を引きつける魅力

エロティックという言葉から、セックスアピール? と思ってしまいますが、第四の資産はいわゆる外見だけでなくコミュニケーション能力も含めた「人に好かれる力」。

この第四の資産をもっている人は、人生で稼ぐ金額が20%も多いとこの本には書かれています。「見た目」を大事に考えることは、ほかの資産を作ることと同じように、人生を豊かにする戦略になるのかもしれません。

医学的には「見た目の老化」=「内面の老化」

アメリカでは、老化のメカニズムを研究するために、双子を対象としてさまざまなことを調べています。双子の研究で分かったことは、喫煙、紫外線、カロリーの摂り過ぎが老化を促進すること。また、見た目が老けていると身体の中も老化が進んでいることも分かってきました。

見た目のアンチエイジングを目指すためには、身体の中の老化に注意すること、「インナービューティ」も重要であると森下先生はおっしゃっています。

喫煙や紫外線が老化を促進することがすでに実証されていますが、食事という基本的なことに関しても、さまざまな点で老化との関連性があるようです。

とくに摂取カロリーについては、サルの実験でカロリーを30%制限するとガンの発生頻度が減り、糖尿病や高血圧も少なくなり、何よりもサルの外見に大きな違いが出てくるのです。

カロリー制限をした方のサルは、制限しなかったサルと比べて、毛並みがツヤツヤで、ほうれい線(サルにもあります)が無く、歯や体格などがしっかりしていて、すべての点で若さを保っています。カロリー制限が老化には関連があるという研究結果は、ほかにも多く報告されています。

また別の研究では、カロリーではなく糖質を制限することで長寿遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子が活性化されることも分かってきています。アンチエイジングの第一歩は基本に戻って、まずは「食事」であるといっても過言ではないかもしれません。

研究でわかった「笑い」のアンチエイジング効果

10代の若者は涙が出るほど笑ったり、笑い転げたり、とにかくよく笑いますね。「箸が転んでもおかしい年頃」とも言ったものです。

みなさんは最近「大笑い」したことがあるでしょうか。大人になると10代の頃のように頻繁に笑わなくなります。頻度だけではなく、笑う表情そのものも変わってくるとのこと。表情筋が老化することで、笑っても歯が見えるような大きな笑いにならないそうです。

森下先生によると、高齢者を対象にした「笑い」の研究では週に1回、「お笑いライブ」を高齢者に見てもらうと脳内のセロトニンが増えていたそうです。セロトニンは幸福感、不安の軽減、感情コントロール、食欲のコントロールに深く関連しています。「お笑いライブ」の後は、セロトニンの上昇だけでなく、ストレス値と血圧が下がり、リハビリに対する意欲が上がったとのことです。

笑いが免疫力を上げるというほかの研究報告もあり、がんの治療に「笑い」がどのような力を持つのかを調べる調査も行われているとのことです。また、糖尿病患者に対して行った研究では、笑いが血糖値を下げることも分かってきました。

笑うことで改善する、幸せ感、やる気、血圧、免疫力、血糖値。これらすべてがアンチエイジングと大きく関わっていることですね。


編集部取材
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【参考文献】

・キャサリン・ハキム:エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き.共同通信社,2012.
・宮代勲・がん対策センター所長&森島敏隆・政策情報部リーダーインタビュー(大阪国際がんセンター)  
www.mc.pref.osaka.jp/hospital/column/interview03
・Keiko Hayashi,et al:Laughter lowered the increase in postprandial blood glucose.Diabetes Care 2003 May;26(5):1651-1652.

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