春の陽気を感じるこの時期は、身も心も軽やかになりますね。ただし春から夏にかけては、一年の間でも紫外線が強まるため、美肌ケア面ではこれまで以上にケアが必要になってきます。
春の紫外線対策、3つのポイントとは?
①「光老化」を知り、UVケアを怠らない
真夏に比べると、春はまだそこまで強さを感じない太陽光ですが、紫外線量は冬から確実に増え続け、私たちのお肌に降り注いでいます。肌細胞は、紫外線を一定量以上受けると「光老化」と呼ばれる細胞の老化現象が進みます。
表皮の新陳代謝の低下、シミやそばかす、くすみなど様々な肌トラブルの引き金になる光老化。エイジングケアや美肌作りを目指すなら、まずはUVケアや保湿など基本の紫外線対策(アウターケア)を毎日地道に行うことが欠かせません。
②食によるインナーケアを習慣にする
アウターケアに並んで欠かせないのが、食事による「インナーケア」です。私たちのお肌や体は、日々の食べ物で作られています。特に紫外線対策には、「抗酸化力」の高い栄養素を含む食材を意識して取り入れることが大切です。
抗酸化力とは、細胞老化の原因となる活性酸素の働きを抑える力のこと。抗酸化力の高い栄養素は、主に緑黄色野菜や果物類、ポリフェノール類、DHAなどの良質脂質などに含まれています。詳しくは後ほどご紹介しますね。
③旬の食材を積極的に取り入れる
先ほどの話ともつながりますが、旬食材は旬以外の時期に比べて、約3倍近くも栄養価が高いものが多いと言われています。春、特におすすめしたいのは、抗酸化作用やデトックス作用の高い山菜類、ビタミンCが豊富ないちごやデコポンなどの柑橘類です。
旬食材の知識がない……という場合は、スーパーの売り場でいつもより安価で売られている食材、目立つ場所に陳列されている食材を選ぶと間違いないでしょう。旬の食材は比較的多く生産されるため、いつもより手に入りやすい価格になるものが多いんです。
光老化に負けない!抗酸化力の高いおすすめ食材
それでは、紫外線ケアのためにおすすめの食材を分類別にご紹介しましょう。それぞれのグループから1種類ずつを、日々に食事に取り入れるのが理想的です。
【緑黄色野菜】ビタミンA(β-カロテン)、C、Eなどが豊富
ブロッコリー、人参、西洋かぼちゃ、赤パプリカなど
【柑橘類】ビタミンCを豊富に含むものが多い
レモン、オレンジ、デコポン、不知火、グレープフルーツなど
【その他の果物類】ビタミンC、E、ポリフェノール類などが豊富
いちご、キウイフルーツ、ブルーベリー
【青魚類】DHA、EPAなどの良質脂質が豊富
あじ、いわし、さば、さんま など
【良質油】特に抗酸化力の高いビタミンEが豊富
オリーブオイル、ごま油、えごま油 など
おすすめ!手軽に作れる春レシピ3選
それでは、ご紹介した紫外線ケア食材を使った筆者のお気に入りのお手軽レシピを3つご紹介します。どれも手軽に作れるものばかりなので、是非お試しくださいね。
【1】山菜のお味噌汁
こごみ・うるいなど、下処理不要でアクの少ない山菜は、いつものお味噌汁に切って加えるだけでもOK。山菜の風味を手軽に堪能できます。
【2】旬フルーツのカナッペ
いちごや季節のフルーツを、クリームチーズやハーブなどと一緒にクラッカーやスライスしたバゲットに載せるだけで、おしゃれなおつまみに!ビタミンCを無駄なくおいしく摂取できます。
【3】旬食材と鮮魚のカルパッチョ
ベビーリーフを敷き詰めた器に、刺身用のあじやほたてと、いちごや柑橘類を交互に重ね、オリーブオイルをひと回し。抗酸化力の高い、おしゃれでおいしい前菜になります。
いかがでしたか?春の紫外線からお肌を守るためには、光老化を知り、インナーケアとアウターケアの両面から、紫外線ケアを行うことが大切だということが分かりました。旬の食材を中心に、抗酸化力の高い食材を積極的に食事に取り入れ、内側から健やかで美しく、新しい春を迎えましょう。
執筆者
- 國塩 亜矢子 フードコーディネーター
【保有資格】
・女子栄養大学認定・食生活指導士1級
・べジフルビューティーアドバイザー
・調味料ソムリエ
・キッズキッチンインストラクター
【著書】
・決定版!節約・冷凍レシピ(宝島社)
…
※参考文献※
・「旬の野菜の栄養辞典」(エクスナレッジ)
・「からだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)
・「正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学」(高橋書店)
・「栄養素の通になる」(女子栄養大学出版部)
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」(高橋書店)
・「美肌美人栄養学」(エクスナレッジ)
・「きれいな人の老けない食べ方」森拓郎・著(SBクリエイティブ)