脚を引き締めたい、お尻を引き上げたいなどの目的から、下半身の筋トレに取り組む方も多いと思います。スクワットやランジなど下半身の筋トレは、足部が接地していることが多いため、地面との接し方が、筋トレのパフォーマンスに大きく影響します。
そこで今回は、脚の筋トレの前に、自宅でも簡単に取り組める足の意識付けをしていきます。
【下半身の筋肉を鍛える前に知っておきたい!】
足は体の中でも意識が薄れやすいパーツです。普段、靴や靴下を履いていることが多く、足部を漠然とひとかたまりで認識しがちです。
それに加え、地面に接していることが当たり前過ぎて、怪我でもしない限り、じっくりと足そのものや、足部と地面との接点を意識するシーンがありません。
フィットネスクラブやジム、外でのトレーニングですと、怪我の予防や衛生上からシューズを履きますが、今回は自宅で手軽に取り組める環境だからこそ、裸足または靴下を履いた状態で確認してみましょう。
【骨格を理解することから始めましょう】
足部には約26個の骨が集まっています。それらの骨が綺麗に一列に並んでいるのではなく、ドーム状になっています。その特徴としては、指側とカカト側を結ぶ縦アーチと、親指側と小指側を結ぶ横断方向のアーチが見られます。
中でも縦のアーチは「土踏まず」と言われる目でも確認できるはっきりとした親指側の「内側縦アーチ」と、それに対して目や感覚では確認しずらく、体重が掛かっている時には潰れてしまう小指側の「外側縦アーチ」が見られます。
内側縦アーチは、親指の付け根「母趾球」と「カカト」を結ぶように存在し、外側縦アーチは小指の付け根「小趾球」と「カカト」を結ぶようにあります。
実際に自分の足の裏を見てみると、その3箇所が少し盛り上がっているのを確認出来ます。骨格で確認しても、それぞれ第1中足骨頭(母趾球の位置)、第5中足骨頭(小趾球の位置)、踵骨(カカトの位置)の3箇所で体を支える様な構造になっています。
【筋トレで意識したい「足裏の3点」】
筋トレの中でも足部が接地をする種目の時には、漠然と地面や足を意識するのではなく、この「足裏の3点」に意識を向けてみて、自分と地面(地球や大地と表現される著書や先生も多いです)との関係性を確認することが出来ます。
これまで、あまり小趾球を意識することがなく、その結果、普段は小趾球側に体重が乗ってなく、母趾球で地面を踏もうと頑張り過ぎていたことに気付いたり、逆に小指側に体重が乗り過ぎていたことが当たり前となっていたことに気づいたりする方も多いと思います。
【3点を意識して下半身の筋肉にアプローチ!】
筋トレを始める前にまずは、体を足裏の3点で支える意識付けを行いましょう。無駄に体を緊張させて動作を行なっていたことに気づいたり、フッと体重を地面に預けられて心も体も緊張がほぐれていくのを感じたり出来るのではないでしょうか?
だからと言って、「常に3点均等」とか「ずっと3点を意識しよう」と拘り過ぎる必要はありません。ふとした時に(3点がどうなっているのかな?)なんて様子を伺う程度に意識を向けてみてください。
3点への意識の仕方が変われば、体の土台である足のアライメントも変わり、荷重も変わってきます。それによって筋トレ中の筋肉の緊張の仕方や、筋トレ時に"効いてくる"部位が変わってきます。それを探求しながら取り組むことで、体の感覚や使い方を育むヒントになります。
ただ漠然と足を意識するのではなく、足裏3点の意識を使って、自宅での筋トレを充実させてみてください。
執筆者
- 大久保 圭祐 ボディワーカー
【プロフィール】
身体をしっかりと"意識"して感じることを大切にしたエクササイズやケアを提案して、パーソナルセッションをはじめ、各種メディアにてエクササイズの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活動中。
【…