産後のダイエットの問題は女性は避けて通ることのできない問題かもしれません。
産後のダイエット法にはたくさんの手段がありますが、ネットで情報を調べてみるとあまりに多すぎて何から手をつけて良いかわからないという人も多いのではないでしょうか。
いつから始めるか?…無理は禁物!
産後のダイエットは何から始めるかも気になるところですが、特に重要になってくるのがいつから始めるかです。
出産や育児のスタイルによって母体にかかる負荷には個人差が大きいため、一概に「いつから」とはいえません。しかしながら出産は全治1カ月以上の怪我と同じくらいの負担といわれていますから、最低でも産後1ヵ月~1カ月半は体重を気にせず、母体をいたわるようにしましょう。「産後の床上げ」という言葉があるように、しっかり体を休めることが大切なのです。
もし帝王切開や難産などで母体に大きな傷や負荷がある場合は、当分は産後の母体を回復させることが最優先です。エクササイズやダイエットの開始時期についても、1ヵ月健診で医師に聞いてみるといいでしょう。
また母乳育児をしている場合は、母体の血液をせっせと赤ん坊の養分に変換して放出している状態なので、過度な食事制限などは禁物です。お菓子などは控えても大丈夫ですが、主食やおかずは三食しっかり摂るようにしましょう。そもそも母乳をたくさんあげているうちは、かなり食べていてもどんどん痩せていく時期なので、それほど体重を気にする必要はないと言われています。
さらに、赤ちゃんの夜泣きが多くて睡眠不足、母親がワンオペで一日中家事や育児をしている、双子や三つ子を育てている、…など過酷な環境にある場合も、ダイエットは二の次にしましょう。産後うつなど精神的にも不安定な時期なので、とにかく自分を甘やかして、見た目にかまう余裕がなくてもよしとしましょう!
まずは開いて歪んだ骨盤をケアして痩せやすい土台を
妊娠中にだんだんと大きくなる赤ちゃんを支え、出産のときには大きく開いて急激な変化をとげてきた骨盤。
実は産後太りの主な原因は、この骨盤の歪みにあるのです。
妊娠中に赤ちゃんを守るようについたお腹周りの脂肪は、産後半年くらいでだんだんとなくなって、元のスリムな体に戻っていきます。しかしその際に骨盤が歪んだままでいると、脂肪が落ちにくくなったり、変な部位にだけ脂肪が残ってしまったりして、太った体形が続いてしまうんです。
それを防ぐために骨盤のゆがみを整えきれいに閉じていくための体操「産褥体操」があります。
産後1日目からできる「産褥体操」まずは腹式呼吸から
出産直後から骨盤を引き締めたり、悪露の排出や子宮の回復を促すための簡単なエクササイズ、産褥体操も効果的です。
産後1日目からできる体操は、ベッドにあおむけに横たわったままゆっくりと腹式呼吸する、ただそれだけです!急激に変化したお腹周りの筋肉を落ち着けます。もちろん余裕があったらで大丈夫ですし、できなくてもかまいません。
産後2日目は、仰向けに寝たまま首を前後させて頭を上げ下げします。腹筋まわりが優しく鍛えられます。
産後3日目は、仰向けでひざを立てて、肛門をしめたりゆるめたりしましょう。
前述の通り、帝王切開などで痛みのある方は無理をせず、医師や助産師に相談しつつ、できるようになってからできる範囲でやってみるようにしましょう。
退院後は赤ちゃんをあやしながらできるエクササイズもおすすめです。スキンシップとダイエットに一石二鳥!
エクササイズができなくても、大丈夫。日常生活の中で、授乳などの時間によい姿勢で座る、脚を組んだり横座りはせずに左右対称な姿勢をキープする、1日何度かストレッチをする、など、ふだんから骨盤や背骨をゆがませない癖をつけておきましょう。
逆にいえば、せっかくエクササイズをがんばっても、ふだんの姿勢が悪いと骨盤はすぐにゆがんで、ダイエット効果も台無しになってしまうのです。
和食中心の食事で、食事量を減らし過ぎない
産後、特に母乳育児の方は食事制限はせずに、食べるものをヘルシーなものにするように心がけましょう。
無理にカロリーをカットしようとすると栄養が足りなくなって、疲れやすくなり、心身のバランスを崩したり、病気になりやすくなったり、育児のエネルギーが十分に得られなくなったりします。
食べる量は減らさなくていいので、和食中心のメニューにするよう心がけてみましょう。和食はタンパク質や栄養が豊富で低カロリーなので、産後におすすめです。
もし自分以外に作ってくれる家族がいなかったり、献立に気を遣う余裕がない方は、コンビニに美味しい和食メニューが揃っているので買ってきてもらったり、レトルトや宅配などを利用することもおすすめです。
もちろんたまにはジャンキーなものが食べたくなる時もあるので、がまんしすぎずに食べちゃいましょう。
とにかくストレスのない方法でヘルシーな食事を長く続けるようにしましょう。
ただし「自分へのご褒美」や「ストレス解消にドカ食い」、「甘いものがやめられない」などの頻度が高いと要注意。
多くの人が育児中のストレス発散でカロリー過多な食事をしてしまい、それが元で産後太り、もしくは産後になってもなかなか痩せない、という状態になってしまうのです。ですから、甘いものが食べたくなったらイモや和菓子で、甘ったるい飲み物が欲しい時はチョコ味のプロテイン飲料で代用、たくさん食べたい時は噛み応えのあるナッツ類や干物などで、すぐにお腹がすくなら1回の食事量を細かく分けて食べるようにする、などうまく空腹を紛らわせて乗り切りましょう。
また先にも述べた通り、母乳育児にはメリットデメリットもありますが、ダイエットという観点から見るとメリットが多いので、もし母乳にトラブルがない方ならうまく利用するとよいでしょう。例えば子どもを預かってもらう時も、搾乳しておいて哺乳瓶で飲ませてもらう、などの方法をとると、ダイエットとミルク代節約、両方の面で役立ちます。
芸能人みたいに痩せなくても大丈夫
同じ時期に出産した芸能人が驚くほど短期間でスリムになって復帰している姿を見ると、焦ったり心配になったりしますよね。でも彼女たちは美しい姿で人前に出るのが仕事なので、産後の過ごし方も全然違ったりします。例えばベビーシッターに預けて、パーソナルジムで専属トレーナーに特別なエクササイズメニューを組んでもらっていたり、高額な痩身マシンやエステの施術を受けていることも珍しくありません。産後の外見を美しく整えることは、芸能人にとって死活問題なのですから。
もちろん芸能人と同じようなライフスタイルが続けられる方は、それを参考にすればよいのですが、多くの産後女性たちは子育てをしながら家事などを続けて、生活費も節約しながらやりくりしています。ですから芸能人のように産後に短期間で痩せるのは現実的とはいえません。
ただ、子育てに振り回されている時間は激しいスポーツと同等のエネルギーを消費しますから、特別なエクササイズをしなくても基本的にはだんだんと痩せて元の体型に戻っていくのです。
産後の日常生活がダイエットのカギに!
このように、特別なダイエットをしなくても、産後、普通に子育てをしていれば、半年から1年かけて体形はだんだんと妊娠前の状態に戻っていきます。子育ては肉体的にも精神的にもハードなので、ちょうどよいのです。育児が最高のダイエットなんですね。
しかし、先に述べたように、日常生活の過ごし方が悪いと、どんどん痩せない体や太りやすい体型になっていくので要注意なんです。
例えば、授乳中の悪い姿勢が骨盤をゆがませて、その結果腰回りに脂肪をたっぷりつけてしまったり。育児中の間食や食べ過ぎがクセになって続くことで、太ってしまったりします。
ですから、産後は特に骨盤が歪みやすい状態になっていることを意識して、日ごろからよい姿勢をキープしたり、食べること以外にもストレス発散の方法を見つけておくことが大事ですね。
体調がよくなったら子供を連れて散歩をしたり出かけるようにして、日ごろから動く習慣もつけておきたいですね。