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奥田政行シェフの芳香蒸留水を使った健康イタリアン

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日本中の食通が通うといわれる山形県鶴岡市のイタリア料理店『アル・ケッチァーノ』。オーナーシェフの奥田政行さんは、産地食材にこだわり生産者の顔の見えるメニューを提供しています。

東京銀座でも『ヤマガタサンダンデロ』を展開。奥田さんは、さまざまなイタリアンの法則を確立し、現在は芳香蒸留水(ATR(アートゥル)ウォーター)を料理に使用。芳香蒸留水とは、食材に熱い蒸気を通過させることで、放出される揮発性の香りの成分の液体(香りの水)のことです

今回は、3カ月後のカラダを作るという芳香蒸留水を使った奥田政行シェフの健康イタリアンのご紹介です。加えて、ご自宅で高級食材トリュフを安価でお手軽にさまざまな料理に活用ができる方法を教えてくださいました◎。とってもお得に、おいしい高級料理が楽しめます。ぜひコラム最後までお読みくださいね。

料理の香りがおいしさの80パーセントを左右する。秘密は・・・●●

まず蒸留水を作ります。写真の素材はヒノキです。蒸留器の中で食材が蒸されて蒸留水(食材の香りを楽しむまでに)が採れるまでの時間は30分程度。ディフューザーのように蒸留途中でもよい香りが発生し始めます。食材が熟成されているとナッツが混ざったような香りがしてきます。

牛肉でいうと、成牛より仔牛の肉には旨味が少ないのですが、成牛になるとイノシン酸というかつお節と同じ旨味成分が多くなります。酸味がありながらも旨味や甘みがあり、脂身、ナッティな香りがするのが、私がおいしいと感じる牛肉の味の構造。芳香蒸留水を使うと、ただでさえおいしい和牛がさらにヒノキの高級な味になるのです。

【い草、ナッツなどから抽出した芳香蒸留水】

なぜ、さまざまな食材から抽出した芳香蒸留水を料理にかけると味が変わるのでしょう。これは『香りマジック』です。

例えば、ラーメンを食べたときに感じるおいしさを思い浮かべてください。口元でツルっと食べて、ゴックンと飲んだときに口の中が真空になる。すると行き場のない空気の中のラーメン汁の香りが鼻から抜けるんです。それがおいしいと感じる瞬間なんですよ。鼻は、吸う香りと抜ける香りは感じ方が違うんですね。

嗅覚は直接脳に伝達する唯一の感覚です。記憶は海馬に司るといいます。ふるさとの香りを嗅ぐと子どものころを思い出したりするのは、認知症の回想法でもありますね。ハーブでいうとバジルの香りを嗅ぐと気持ちはナポリに。タイムの香りはプロバンス。パクチーの香りは台湾やベトナムの風景が浮かんでくる……など。

い草の香りは、牧草地や牧場で嗅ぐ香りなので、料理につけると一瞬脳裏に牛が遊んでいる風景が浮かんでくるような。香りは人間の記憶も思い浮かばせるものなのですね。それと食べ物を口にしたときに脳の中が「おいしい」って思う原点は、実は母乳の味なんです。旨味塩分、糖分、油脂分、そのあとに香りがきて……点と線が結ばれて懐かしい風景が脳裏に現れる。香りと食事の関係ってつながっているんですね。

手軽にさまざまな料理に活用できる白トリュフの芳香蒸留水

マッシュルームがベースのスープに、白トリュフの芳香蒸留水を入れると白トリュフのスープに変わります。これも香りマジックの法則。白トリュフは1キロ60万円ほどですから高価ですよね。それが安価で白トリュフ風味の料理ができちゃうんですよ。

さて、その方法……は。

『いつも私のお店では、こんなふうに白トリュフとお米をガラス瓶の中に入れて保存するんです』

瓶に漬け込む香りは1日入れておけばかなり香りがつきます。この小さな白トリュフは、これだけでひとつ1800円します。こんな高級な白トリュフですが、香りのついたお米を蒸留水にすれば、リーズナブルに白トリュフスープと白トリュフご飯が作れちゃいます。しかも蒸留器で茹でたごはんも食べられて白トリュフの香りも楽しめる。鼻に抜ける香りって人間が心地いいと感じる香りですから、その水に白トリュフの香りをつけられるということです。

●白トリュフを保存するために入れたお米で蒸留水を作ると同時にご飯も炊ける●
白トリュフ風味が楽しめる蒸留水の作り方は、お米と一緒にガラス瓶に入れて保存する。すると、このお米を蒸留すれば白トリュフの香りになる。蒸留するとお米も水に溶け込んでそのまま食べられます。

これがマッシュルームベースのスープです。ここに白トリュフの香りのついたお米蒸留水をかけると白トリュフスープに早変わりします。白トリュフの香りがついているお米は、蒸留水を採った後に食べるのですがおこげになりやすいので、ちゃんと水を足してくださいね。お米は蒸すというより茹でることになるので、インディカ米が相性いいですよ◎。

白トリュフのような香りの強い食材は、そのもの自体を蒸留するのではなくお米の中に入れて、お米に白トリュフの香りを移してから蒸留する。その後のお米は、水を足せばリゾット風にも加工できて一石二鳥ですね。



料理と食事、そして健康な口腔からのカラダづくりは密接に関係しています。それは口を動かして食べるとき、「香り」に重要な役割があるからなのですね。おいしいお料理の匂いは、嗅覚を刺激して人間の本能を取り戻すことができるとして回想法にも香りが使われているほどです。

自然食材はカラダに入って善し、香りマジックで嗅覚を刺激し脳も活性化するという食の健康法。まさにこだわりのイタリアンシェフ奥田政行さん独自手法のご紹介でした。

奥田 政行さん(オクダ マサユキ)
山形県庄内の自然の食材を使ったイタリア料理店『アル・ケッチァーノ』と東京銀座『ヤマガタサンダンデロ』のオーナーシェフ。辻静雄食文化賞(2010)、農林水産省食料産業局長賞(2018)など数々受賞。『人と人をつなぐ料理』(新潮社/2010)ほか多数出版。店名由来は、「おいしい食材は足元にある」という意味の「あるけっちゃのう」と産地の食材愛を象徴する「山形産だんでろ?」という山形弁の言葉の秘密からきている。

奥田政行の山形イタリアン
http://www.alchecciano.com

協力:一般社団法人 日本アロマ蒸留協会
http://atrwater.jp

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