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ご飯で水分を摂る!「本当の糖質制限ダイエット法」を栄養指導者が語る

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「糖質制限」はいまやメジャーな言葉。カロリーだけではなく、糖質を控えることが最も重要というのがここ最近のダイエット市場だ。

糖質を多く含む食品は、砂糖をはじめとした“甘いもの”だけでなく、ご飯、いもに含まれるデンプンも糖質の仲間。総称する炭水化物類は、ダイエッターにはまさに「敵」のイメージといえる。おかずだけ食べてご飯は少なめ、あるいは食べないという人も少なくないかもしれない。

管理栄養士の伊達友美さんは、クリニックやエステサロンなどで多くの人の悩みに貢献してきたダイエット指導の第一人者だ。栄養の専門家からみる、糖質制限は健康的なダイエット方法なのかをお聞きした。すると、実は日本人として問題の真実があったのだ。

さて、みなさんが行っている糖質制限ダイエット。カラダに負担をかけていないだろうか。今回解明する。

ご飯を食べると太るワケではない

市場ではいろいろなダイエット商品が展開され、毎年さまざまなダイエット法が話題になっては消えという繰り返しです。そのなかで、「糖質制限」だけはここ5年間ずっと生き残っています。いかに多くの人が「糖質」というものに関心を寄せているかが伺えますね。

まずは、最近私がダイエット指導をした一人の患者さんの食事スタイルをご覧ください。

【身長170㎝、124kgの39歳の女性】
●1日目
朝:ピーナツバターパン、ソーセージパン、コーヒー
昼:野菜とチーズのパスタ、サラダ、バケット、デザート、アイスコーヒー
間食:パウンドケーキ
夕:焼うどん、シューマイ、チャーハン(小茶碗に半分)、サラダ、スープ

●3日目
朝:食パン(バター)2枚、目玉焼き、ベーコン、レタス
昼:枝豆ひとつかみ位
夕:うどん、ご飯(小茶碗)1杯、クリームシチュー1杯

以上の摂取カロリーを計算すると、2437キロカロリー程度。びっくりするほど高カロリーかというとそうでもないですよね。たぶんみなさんがイメージする124kgの女性の食事は、この倍以上ではないでしょうか。テレビでも放送されているような、Lピザを食べた後にチョコパフェを食べるみたいな。

ですがこの方の食事スタイルには、健康的に痩せられない特徴があるのです。朝はパン、ランチがパスタとバケット、間食にパウンドケーキで夕食が焼うどん、チャーハン、シューマイ……。お分かりでしょうか。特に夕食はトリプル炭水化物になっています。3日目の夜もそうです。

さらに問題なのは
ご飯をほとんど食べていない」こと。

コメ不足の日本人、特に女性は100%

炭水化物には質があります。現代人の主食は糖質です。糖質と言われる食品はたくさんありますが、毎日、朝・昼・夕なにを食べているかが重要になってきます。

現代人は男女とも、ご飯を食べることになぜかとても罪悪感をもっています。子ども用の茶碗に軽く半分とか。ですがダイエットカウンセリングをしている私はお米を食べ過ぎて太った人をほとんど見たことがありません(カウンセリングした6000名中3名程度)。

2016年に私が診た患者さんのデータでは、「お米不足」の人が全体で88.2%、女性に限定すると100%になりました。

『食事バランスガイド』※1では、一日に摂取する主食の目安量を、すべてご飯に換算すると茶碗4杯の量。したがって茶碗5杯以上でやっと「ご飯食べすぎ!」と言えるのです。

大切にしたい和食の文化。その代表が主食のご飯

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2020年、東京オリンピックが開催されます。和食は世界文化遺産※2になりました。私自身も栄養の専門家として日本の食文化を世界に伝えたい想いがあります。外国の人に和食の文化を伝えたい。日本ならでは、の “おもてなし”をテーマにお仕事をされている方も多くいらっしゃると思います。

日本の食を考えたとき、やっぱり和食ですよね。だとしたらご飯が主食なはず。ところが、現代日本人の主食はパンの傾向が高い。実はここに糖質制限ダイエットの鍵があります。

下の図は、1か月間に主食として何にお金を使っているかの『総務省の家計調査』です。

日本人が主食として摂っていたのは、お米。2002年までは当然お米が一番多かったわけです。ところが2012年を境にコメとパンは逆転。さらに2016年にはすでに500円の開きが。お米を主食とする人がどんどん減っています。

さらに、糖質制限が流行ってもパンの需要は増え続けている現状。糖質制限が流行ったことが原因なら、ご飯もパンも麺も全てが右肩下がりになるはずなのに、麺は維持、コメは下がり、パンが上がっています。忙しい日常の中、手軽に食べられる食品の需要は伸びるという観点からは分かる気もしますが。

糖質を選ぶときのポイントは「水分」

健康的に摂る食事として、スポーツ系の管理栄養士さんがおっしゃっていたのですが、子どもたちの欠食調査をすると熱中症で倒れる子どもの約半数がパン食といいます。パンとご飯は、糖質の量が同じだとしても水分量が違うからです。

ご飯一杯でも朝食を食べている子どもは水分がしっかり体内に入ります。パンは乾燥食で、生地を練るときに水を加えますが、焼いて飛ばしてしまうので水分はほとんど無くなります。ご飯は、お米に水分を吸収させ炊き込む調理法なので一粒一粒すべてに水分が含まれているのです。

熱中症にならない人は、食事で摂る水分量が多い傾向があります。主食を選ぶときは、水分量をポイントのひとつにしてみましょう。糖質は同じ食品でも質が大事というのは、ビタミンやミネラルなどと思いがちですが、どんな栄養素よりもまず重要なのが「」です。水分を摂った上でさらに必要な三大栄養素、五大栄養素ということになるのです。

人のカラダは50~60%が水分。よく1日2Lのミネラルウォーターを飲むといいと言いますね。体内から排泄・蒸発で減った分の水を補うためには、食事からどれくらい水分を摂るかということも重要なのです。

夜遅くにしか食事ができない人は糖質どうする?

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食べる時間? 食べる量? 食べ物の質? 食事が夜遅くなってしまう場合、どれを優先すべきでしょう。これも患者さんからよくある質問です。

ベジファーストは、食物繊維のものを最初に摂ってから糖質を摂ることで血糖値が急上昇しないようにするための食べ方です。しかし、極端にダイエットにハマってしまった人たちはベジオンリーになっていて、どんぶりいっぱいのサラダなど普通に食べているので……。

最近すすめているのは「汁ファースト」。味噌汁です。カラダを温めることと水分をしっかり摂るというのは健康的にダイエットをするためにとても重要なポイント。パンよりもご飯というのは、水分を補うだけでなく、カラダを温めるという意味もあります。また血糖値を急激に上げない工夫としても、最初に味噌汁という食べ方はおすすめです。

おさらい。
和食の基本「ご飯と味噌汁」が実は糖質制限ダイエットに重要。ポイントは「水分」。

糖質を気にする前に、その食品の「水分量」に気を配ってみましょう。しかも飲み物として摂る水分だけではなく、食事から摂る水分に少し意識を向けてもらうだけで食事の内容が変わる気がしませんか。

味噌汁は大豆発酵調味料。水分、たんぱく質、ミネラル、食物繊維を補給するだけでなく、カラダを温め、細胞も活性化させ、免疫力、自己パフォーマンスも上がる一石二鳥以上だと思います。


次回は「果糖についての間違った認識?」のお話です。

伊達 友美さん(ダテ ユミ)
ダイエットカウンセラー、管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士
銀座医院(東京都中央区)、保科クリニック(埼玉県浦和市)、金町脳神経内科耳鼻咽喉科(東京都葛飾区)、杉本クリニック(神奈川県横浜市)の各クリニックで栄養指導、ダイエット指導に従事。日本アンチエイジングダイエット協会理事として、アンチエイジングダイエット認定トレーナー、アドバイザーの育成を行っている(5月19日(日)「ダイエットスタイル:1dayベーシック講座」開催予定)。『体質改善ダイエット』(マガジンハウス)他、著書・監修本を50冊以上出版。

公式ホームページ:http://omakase-diet.com

【解説】
※1:「食事バランスガイド」について(農林水産省)
※2:「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!(農林水産省)

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